被相続人が公正証書遺言や自筆証書遺言など、遺言を残してくれた場合には、その遺言書をもとに、家族との間で話し合いをすると思います。
しかしその際に誰も遺言の無いように異論がなく、スムーズに話し合いが終われば良いですが、遺留分を侵害される相続人がいる場合など、誰かが納得がいかないということになれば、堂々巡りで解決しないという問題が出てきます。
そこできちんとみんなが納得をする方法で解決をするために、プロの専門家に相談をしましょう。
地域にある弁護士事務所でしたり、プロの相続問題に関する専門家がいらっしゃる事務所を探して、まずは遺言の内容を話します。
すると、各相続人の遺留分がどの程度あるのかという点についての説明が受けられるでしょう。また、遺言の内容と異なる遺産分割協議も有効であることや、ただし遺言執行者が遺言の中で指定されている場合にはそうはいかないことなど、さまざまな関連情報を得ることができるはずです。
普段から何かあれば法律の相談が出来る顧問弁護士のような方がいらっしゃれば、いざという時にすぐ相談出来ますが、なかなかそんな気軽に相談できる弁護士は知らないという場合が多いと思います。
しかし、まわりにそのような方がいらっしゃらない場合にも、あきらめる必要はありません。
まずは、お近くの法テラスの相談窓口を探してみましょう。法テラスというのは、正式名称を日本司法支援センターといいまして、法律に関する無料相談会を実施しています。ここで相談されれば、弁護士さんに無料でいろいろ質問ができます。
法テラス以外にも、市役所などで定期的に弁護士会主催の無料法律相談会などが行われていることはよくありますので、問い合わせされれば、直近の相談会を案内してもらえることでしょう。
ちなみに、紛争となっている遺産分割協議に関して、家庭裁判所で行う調停や審判の手続きを代理することはもとより、裁判所外での話し合いについて代理人となることも含め、弁護士以外の資格者(司法書士や行政書士、税理士など)が行うことは、弁護士法72条に違反する「非弁行為」となり、犯罪行為となりますので、注意が必要です。
2014年5月アーカイブ
相続手続きは、頭の痛い問題です。
自分自身でやるととても大変ですし、疲れる上に必要な手続きの種類が多すぎるので、手続きをする上で数ヶ月たってしまうことも珍しくありません。葬儀の手配や香典返しなどにはじまり、四十九日法要なども手配しないといけません。そして、ようやく落ち着いてから、名義変更などの手続き開始となります。
相続に伴って必要となる手続きは非常に多岐にわたり、生命保険会社への保険金の請求や不動産の相続登記、預貯金や株式の名義変更など、簡単にはいかない手続きが山のようにあります。
これらの手続きで大変なのが、戸籍集めです。被相続人の死亡時の戸籍だけではなく、出生まで遡って、婚姻前、分家前、転籍前の戸籍をとっていく必要があるため、通常、戸籍は複数の市役所・区役所に請求する必要があります。
また、相続人が何人いるのかわからないこともあります。一部の相続人が認知症にかかっていたり、未成年者である相続人がいる場合もあります。海外に在住している相続人も珍しくありません。
そのため、トラブルを回避してスムーズに手続きしたいなら、相続手続きの専門家にお願いする方法があります。
戸籍や住民票等、相続手続きに必要な各種書類を揃えるためには、まず不動産の相続登記を司法書士に依頼すれば、相続登記が完了した後に、原本還付を受けた戸籍一式は、還付されます。この戸籍を銀行の預金の解約手続きに使用するという方法もあります。
ただし、相続人間で相続紛争が起こっている場合には、司法書士よりも、弁護士に相談するべきでしょう。相続に関する紛争を代理人として取り扱うことができるのは、弁護士だけだからです。
また、信頼できる弁護士のあてがない場合には、自治体によっては無料での相談を請け負っている場合も多数存在しているので、地域の無料相談に対応してもらう方法があります。
各種相続手続きの煩雑さによってかかってしまう時間を節約するためには、手続きごとに最適な専門家を活用しましょう。